不幸の中で幸せをつかむ。三秋縋さんという小説家について熱く語りたい。

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こんにちは!

Ash(アッシュ)@oborerublogです。

今回はとある作家さんをただただおすすめするという回です。

心の底から読んでほしい。ほんとに。

三秋縋(げんふうけい)とは

文字嫌いだった僕が読書に溺れるきっかけとなった一人です。

 

元々2ちゃんねるの住民

三秋縋さんのでデビュー作は「スターティング・オーヴァー」という作品です。

しかし、2ちゃんねるというサイトでは以前からいくつも作品を出していました。

「げんふうけい」という名前でこの頃から少し話題になっていた。

げんふうけい

 

とりあえず、これ読んで!

三秋縋さんのツイッターではよくみじかい話がツイートされる。

すごくみじかい話のはずなのにその数百字で三秋縋さんという人の世界観が伝わってきてしまう。

いきなり小説を読むのには抵抗がある方やどんな人か知りたいという方にはオススメ。

 

これが三秋ワールド

三秋縋さんの描く物語はどの作品も共通していることがいくつかあります。

 

独特な世界観

ジャンルを聞かれたら「恋愛」に加えて必ず「SF」が入ってきます。

非現実的要素が出てくるのに物語はよりいっそうリアルになるという現象が起こる。

  • 自分の寿命を売る
  • 悔いのない人生をもう一度やり直す
  • 出来事を無かったことにする
  • 人に乗り移る

こんな僕たちには絶対起こりえないであろう設定が物語をより愛おしく感じさせてしまうのです。

 

自己肯定感の低い登場人物

必ずと言っていいほど登場人物はみんな自己肯定感が低いです。

このキャラを見ていると元気が出る。生きることに一生懸命なキャラ。

そんな人たちは残念ながら出てきません。

基本的に社会に適応できなかった人間が描かれる。無職、潔癖性、殺人、家庭内暴力などさまざまな負の状態にある。

明るく元気なキャラに見えても何かを隠していたりと必ず裏がある。

しかし、そんな不幸や絶望の中にいる人たちが物語の最後には本人たちにとって前を向いて進んでいけるものになってくれる。

たとえ彼らが置かれている状況や環境が実際には何ひとつとして変わっていなくても。

不幸の中に幸福を見出すのが三秋縋さんは本当に上手なんだなぁと感じずにはいられない。

 

メリーバッドエンド

メリーバッドエンドとは人の視点によってハッピーエンドかバッドエンドか意見が別れること。

まさに三秋縋さんの物語がこれです。

この人の描く物語を楽しく読めることができるのは自己肯定感の低い人たちが幸せを感じることができる結末になるから。

物語の中の本人たち以外の目には不幸に写っているかもしれない。さらには、読者の目にも不幸に写っているかもしれない。

それでも本人たちはこれまでにない幸せの絶頂にいて満ち足りている。

 

おすすめ作品3選

さて、ここまでで三秋縋さんという方が少しずつ分かってきたんじゃないでしょうか。

というわけで、僕からおすすめを3作品ご紹介させてください。

 

『恋する寄生虫』

潔癖症のひきこもり男と視線恐怖症の不登校少女の物語。

僕の中でこれに勝る物語はありません。

ラストは賛否両論あるかもしれませんが本当に美しい。

何回でも読み返せます。

操られていて何が悪い。小説『恋する寄生虫』三秋縋 感想レビュー
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『三日間の幸福』

三秋縋さんといえばこれ!という代表的な作品。

人生を1年につき1万円で売る物語。

これを読んだ後、あなたは生活の中で自動販売機が気になってしまうかも。

自分の人生はいくらで売れる?「三日間の幸福」三秋縋 感想 
自分の人生に値段をつけてみてください。なかなか、難しいですよね。この小説を読むと、そういったことを考えるいいきっかけになるかもしれません。自分の人生は幸福か?今までは?これからは?

 

『いたいのいたいの、とんでゆけ』

男が女子高生の復讐を手伝う物語。

こちらは他の作品たちと並べると少し異質な作風。

三秋縋さんにしては珍しく残酷な描写が多い物語です。

<あれ>は優しい嘘なんかじゃなかった。小説『いたいのいたいの、とんでゆけ』三秋縋 感想・評価
この小説を読んで得られる教訓は幸せか不幸かなんて視点が少し変わるだけで覆ってしまうようなものだということ。瑞穂も霧子も周りから見たらハッピーエンドではないかもしれないけど、<あれ>が存在して優しい嘘なんかじゃないという事実が二人にとって最大の救いだったように思える。

 

漫画版も続々登場

『三日間の幸福』や『恋する寄生虫』などの作品はすでに漫画化しています。

『三日間の幸福』は『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』というタイトルに代わって出版されています。

個人的に三秋縋さんの作品はどれも『君の膵臓をたべたい』のように実写化してもいいんじゃないかなと思っています。

これからが楽しみですね。

 

辛いときこそ支えてくれる

こんなことを思うのはもしかすると僕だけかもしれませんが、自分が何か辛いことがあったり落ち込んでいるときに三秋縋さんの物語を読むと明日も頑張って生きようと思えます。僕だけですかね。

実際、『いたいのいたいの、とんでゆけ』のあとがきで三秋縋さんも『元気な話として書いた』と語っています。

社会に溶け込めずに辛い人生を送ってきた自己肯定感の低い登場人物たちも物語の最後では一般的には不幸に見えるかもしれないが本人にとってはこの上ない幸せを掴むことができる。

自分も今は苦しくて何もかも投げ出したくても彼らのように今までのことなんかチャラにできるくらいの幸せを感じられる日が来るかもしれない。

これらの物語を読んだあと、そんな期待をしたいがために本を手に取ってしまうのかも。

 

まとめ

三秋ワールドに溺れていたい。

コメント

  1. フルカド スイ より:

    共感の嵐。君だけじゃないよ。

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