こんにちは!
Ash(アッシュ)@oborerublogです。
はらだみずきさん@startsfromhereの『海が見える家』を読んだので書き殴っていこうと思います。
感想はこんな感じです。
- 就職や仕事について再考するきっかけに
- 波の音が聞こえてくる場所で読みたくなる
- 読後感は控えめに言って最高
- 怒涛な展開や衝撃の結末のような起伏のある物語ではない
- 自分に自信がある人にはあまり刺さらない
僕はこれから就活する身なので、本格的に始まる前にこの本に出会えて良かったと心の底から思いました。
働いていて辛い・苦しいと感じる方、これから就職を考えている就活生の方などに是非読んでほしい1冊です。
小説『海が見える家』とは?
ざっくりあらすじ
- 文哉は入社1か月でブラック企業を辞める
- 田舎暮らしをしていた父が亡くなったと知らされる
- 父の遺品を整理する中、海が見える家で父の見ていた景色を見る
最後に衝撃の展開が待っているとかそんな伏線があったのか?とか、そういった物語ではないので刺激を求める人にとっては退屈な作品と感じてしまうかもしれません。
仕事というものは常に順風満帆に進んでいくなんてことはない。一般的に言えば、20代に仕事に就き数年・数十年働くもの。その間ずっと楽しくて仕方がないなんていう人はごく一部。というかそんな人いるんでしょうか。
どこかしらで悩んだり苦しんだり挫折したりします。抱える問題の大小に関係なくネガティブな感情を持ち合わせているときにこの本を傍に置いてみてください。あなたの助けになるかもしれません。
『海が見える家』という題名は、耳に心地よい。のんびり田舎暮らし小説でも読もうかと手を出すと、小説家の罠にはまるかも。冒頭、主人公は会社を辞め、父を亡くす。その難局を見知らぬ土地で乗り越えねばならない。
読み進めていくうちに、自らの人生について思いを巡らす機会になれば幸いです。 pic.twitter.com/eJc0GZ2DsS— はらだみずき (@startsfromhere) July 8, 2019
納得した人生を送るために
面白くないより面白い方がいいというのは誰もが認める至極当然の理論。この作品にはそんな当たり前のことを改めて思い知らされました。
『自分の人生が面白くないなら、なぜおもしろくしようとしないのか。他人にどんなに評価されようが、自分で納得していない人生なんてまったく意味がない』
転職という言葉が当たり前になってきた世の中で、定年まで同じ仕事でいることも一般的とは呼べなくなってきています。だからこそ、自分のしたいことをいつでも選択できることができます。実際にできる人はごく少数ですけどね。
『海が見える家』を読了🏄♂️
僕は大学生の身なのでこれから就活とかしてく訳だけど、読んで感じたことは、
自分の見ている世界はまだまだ狭い🌎
ということですね。
生きているって実感している人は日本にどれだけいるのだろうか? pic.twitter.com/MZcWitwOTQ
— Ash(アッシュ)@ぶろぐ (@oborerublog) December 25, 2019
魚を釣り、サーフィンをして、風にあたり、波の音を聴き、生きていると感じる。そんな生活もあるんだな。自分の見ている世界は狭く、一部に過ぎないことを実感しました。
SNSが世に蔓延り、人は承認欲求を重視したがります。でも、まず初めに自己欲求に忠実であるべきだと教えてくれました。
父親という存在
やはり特別な存在ですよね、父親というものは。
母親とはまた異なる気がします。あなたにとって父親とはどのような存在でしょうか?
僕の父親は小学生のころは野球やサッカーを一緒にしてくれるような人でした。日帰りや泊まりなどでいろんなところに旅行に連れていってくれました。
今思えば、とてもできた父親だなと思います。今も同じ屋根の下で暮らしていますが、ほとんど口を利かなくなってしまいました。特に何かトラブルがあったわけでもないのに。
父親が何を考えて何をしているのかよく分からないという点においては文哉と共通するものがあるのかもしれません。
ただ、結果的には文哉は父親の意思と遺志を引き継いでいましたね。これが本当の跡継ぎっていうのかな、なんて思いました。跡継ぎって言うと店舗経営を引き継いだり、農地管理を引き継いだりというのが僕のイメージです。
跡継ぎ関連で具体的に作品例とかを挙げるなら、米澤穂信さん『氷菓』から始まる古典部シリーズの千反田えるが思い浮かびます。豪農・千反田家と呼ばれる名家の一人娘のえるは選択の余地もなく跡を継ぐことになっているから選択というものができない。
これは形式的に跡を継いでいると言えますが、心理的に跡を継いでいるとは言えません。そういった観点で文哉と父親との関係は羨ましいと思いました。
自分が死んだら文哉に連絡を取ってほしいと伝えていたのも文哉なら跡を継いでくれるという期待からの発言だったのかもしれません。
まとめ
僕は絶賛大学生しているので、これから就職活動をしなければなりません。無事に仕事に就いてもその先でいろんな選択を迫られることでしょう。
そんな時にこの物語を思い出したいなと素直に思いました。
——おれはいったいこんなところでなにをやっているのだろう。
そんな思いに一瞬囚われそうになる。
でもすぐに虚しい自問の呪縛から自分を解き放った。
——いいじゃないか、これは自分の人生なのだから。
そう言い返した。
人生は自分のもの。他人に認めてもらうものではない。そんな風に自分を自分に誇れる人間でありたい。
最後に
ハンモックに揺られ、波の音を聴きながらこの本を読めたとしたら多分それが幸せなんだと思う。
最後まで読んでくれてありがとね。Ash(アッシュ)@oborerublogでした。
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