会計事務所がやること
会計事務所はどんな仕事をしているのか。
実際に働いた経験がない方にとっては、意外と想像しにくいものです。
未経験で働き始めた私も最初何も分からず困惑の日々でした。
そんな過去の私が知りたかったことをまとめています。
会計事務所がやることのざっくり結論です。
- 適切な申告と納税
- 経営のサポート
大体はこの2つが理由で、事業主や会社は税理士契約を結びます。
月次会計入力
会計事務所の日々の基本的な作業になります。
目的
- 経理作業の代行
- 経営状態の報告とアドバイス
いわゆる記帳代行というものです。
流れ
- お客様から経理資料を預かる
- 会計入力
- 経営状態の報告
ある程度はお客様に資料を揃えてもらいます。
準備いただいた資料をもとに会計ソフトを使って入力をします。
入力が完了したら、完了した月までの貸借対照表・損益計算書・月次推移表などをもってお客様に報告をします。
主な入力作業
- 売上
- 通帳
- 現金出納帳
- 給与明細
- クレジットカード明細
- 売上手数料
ここで使うのが会計ソフト。
会計ソフトと言っても、種類は様々。
会計事務所の専門領域ごとに違ったりします。
会計入力は簿記3級の知識があれば十分です。
あとは数をこなしていくことで何とでもなります。
年末調整
目的
- スタッフの1年間の給与額・所得税額を確定する。
- 源泉所得税を1/20の申告期限までに納付
- スタッフの住所地のある市区町村に報告
- 税務署へ報告
給与からは所得税が差し引かれスタッフに支払われます。
しかし、この引かれている金額はあくまでも見込みです。
生命保険や住宅ローンがあれば、年末調整で控除することで所得税額は小さくなります。
年末調整をすることで引き過ぎてしまった金額を還付金として1月の給与などで受け取ることになります。
文字にすると難しく、実際に初めて取り組むときも私自身よくわかっていませんでした。
しかし、会計ソフトに入力してしまえば、勝手に計算をしてくれます。
会計ソフトは優秀です。
必要な作業
- 給与・賞与 1~12月支払分の確認
- 士業報酬の確認
- スタッフ全員のマル扶・マル保・マル基配所の確認
- 源泉徴収票の発行
納税予測
目的
- おおよその税額の把握
- 節税対策の検討
1年を半分過ぎたくらいから9か月くらいの数字が固まってきたら納税予測を行います。
12ヵ月換算をすることで、大まかに納税額を予測することができます。
メインは所得税と消費税です。
決算
確定申告を行うためには、まず決算を固める必要があります。
決算:貸借対照表・損益計算書を確定させる。
確定申告:確定した決算から納税額を算出する。
決算で必要なこと
- 不明な仕訳を明らかにする
- 期中の仕訳のチェック
- 決算整理仕訳
月次の会計入力の確認。
加えて、日々の入力以外で必要な仕訳である決算整理を行います。
ここまで完了すると、いよいよ確定申告です。
確定申告
結局やりたいことはこれ。
やりたくはないかもだけれど、やらなければいけないこと。
目的
- 確定申告書の作成
- 納税額の確定
- 税金の納付
決算で利益などの数字が決まったので、これをもとに申告書を作成します。
個人事業主
申告期限
- 所得税:2/14~3/15
- 消費税:1/1~3/31
時期が絶妙に違いますが、所得税と同時に消費税も申告を行うことが一般的です。
なぜ、期限ギリギリになってしまうのか。
- 決算が終わらない。
- 申告資料が揃わない。
必要な作業
- 申告書の作成
法人
申告期限
- 法人税:決算月の2か月後
- 法人地方税:決算月の2か月後
- 法人県民税:決算月の2か月後
- 法人市民税:決算月の2か月後
- 消費税:決算月の2か月後
これら全て、決算月の2か月後。
必要な作業
- 申告書の作成
- 内訳書の作成
個人と違う点は内訳書の作成が必要な点。
おわりに
全ては確定申告のため。
と言いたいところですが、経営のサポートの方が意味合いとしては近いです。
できるのであれば、社内でやってしまう方がお金は発生しませんから。
- 時間がない
- 人材がいない
よって、会計事務所を探すわけです。
なにごとも分業です。
コメント